建築設計
仙台ビューティー&ブライダル専門学校宮城県
盛岡から上りの新幹線が仙台駅に入ろうとしてちょうど速度を落とす手前のカーブにある敷地である。
初めて敷地に立った時、凄いビューポイントになると思った。
復興が進みつつある仙台の街に賑わいを取り戻す新しい顔を計画した。
敷地の形状を活かし国道と市道が交わる角に柔らかい円弧を描いて、東から北へ緩やかに繋がる⾧い壁面を造った。小口を加工した押出成形セメント板にボリュームを持たせカーテンウォールと交互に連続させることによって光の陰影の効果を狙った。
早朝、陽が昇ると躯体がくっきりと銀色に輝く。鉄骨造では表現の難しい重厚感を持たせたかった。
建物入り口は角の円弧中心線上に石壁でキューブ形の小さな風除室を配置した。ここを通り抜けると天井の高い大広間が目の前に広がる。2階のホールへと誘う大階段には濃紺の絨毯を敷き、大理石の床、エレガントな調度品、サン・ルイのクリスタルシャンデリアを設えて王家の宮殿に見立てた。
ブライダルのプロを目指す学生たちが夢を膨らませ、憧れを語り合えることを意図した。
最上階には市街を一望出来る大きなパーティールームを計画した。
外壁のRよりキュッと絞った円形の展望空間は高さを違えて建物の象徴とした。
陽が落ちると内側からの暖かな光が街を明るく照らす。人の気配の優しさが仙台の街に溶け込む。