ARCHITECTURE

建築設計

東京ビューティー&ブライダル専門学校東京都

都市の喧騒の中で
自然石の静かな魅力にこだわる

JR立川駅北口の百貨店や大型量販店が立ち並ぶ大通り沿いの一角が敷地である。競い合うように華やかな看板や変わりゆくネオンがひしめく中で落ち着いた存在感を表現し、生徒たちが凛とした気持ちで通うことを考えた。

ファサード足元の吹抜けピロティに、ダイナミックな波模様が美しいインド産御影石を使用した。
同じ種類の石材でも模様の流れや色彩は原石によってひとつひとつ違う。
世界中の石材が集まる厦門市の石切工場に赴き、まずは原石、挽板の選定から始まった。
ベテランの石職人たちと一緒に建物のどの部分にどの石材を使用するかをおおよそ決めた。
波模様が綺麗に流れるようにかつ大胆に表現することが重要なポイントであった。

3ヶ月ほどして製品検査に再び厦門市を訪れた。
工場前のグランドには新しい建物の柱や壁面に使う石材が全数並べられ、その光景をローリングタワーの上から見下ろした時は真に圧巻であった。

建物が完成してみると、この外壁の表情はいろいろ変化することが判った。
普段は大人しいのだが雨天で濡れると石から波模様が浮き出してまるで呼吸をしているかのように暴れる。
再び陽が当たり始めるとみるみるうちに乾いて元の静かな表情に戻る。石は生き物である。
 
建物内部には石造りのチャペルを設えた。真っ白な大理石をスクラブ仕上げ加工することで宝石が散りばめられているような煌めきを石の中から掘り起こしている。
高い天井のトップライトから神々しい光が差し込んで、西洋の古い教会に居るような荘厳な空間を演出した。

建物概要

  • 建物名称 東京ビューティー&ブライダル専門学校
  • 所在地 東京都立川市
  • 設計監理 ウイングスペース一級建築士事務所
  • 施工 大成建設
  • 用途 専修学校
  • 構造規模 鉄骨造 地上9階
  • 延床面積 5,991.08㎡
  • 竣工 2017年8月