建築設計
名古屋スイーツ&カフェ専門学校愛知県
フランスのアルザス地方には「花いっぱいの町 Ville Fleurie」の称号が掲げられている町が多くある。
この地方では美しいワイン畑の丘に囲まれた町の広場や泉の至るところに花が飾られ、民家の窓辺には競い合うようにゼラニウムのピンク、白、赤が色とりどりに咲いている。
こんな風景をレンガ調のタイルと大小の無数の窓で建物に映し込んだ。
ファサードには象徴的な大きな門を設え、製菓調理専門学校として誇り高い格式を表現した。
パティシエを目指す若い学生のための施設であり大きな5つの調理室を内包している。
中心部の師範台を囲むように生徒たちの調理台を扇型に配置し、コンベクションオーブン、ミキサー、冷凍冷蔵庫など充実した最新設備を備え、小麦粉、砂糖、油など食材をストックする準備室を誂えた。
一流ホテルなどで腕を磨いた教師の手さばきを様々な角度から映し出すカメラ、モニターも完備した。
1階のカフェは大鏡、レトロな照明、古びた風合いの床材、曲げ木椅子、柔らかなレースカーテンで居心地のよい空間を造り、続く小さな中庭にはブルーベリーやオリーブを植えた。
正面入口はちょうどバス停前になっている。
バスを待つ人々がショーウインドウの目に鮮やかなケーキやマカロンを覗き込んでいる。
「ここは喫茶店ですか」と入ってくるお客さんも多いと聞く。