ARCHITECTURE

建築設計

神戸元町こども専門学校兵庫県

歴史的な港町に共鳴する
こども専門学校

神戸元町の駅から山側に80mほどのやや急な坂道の途中に敷地がある。
旧居留地を有するこの街は、単に情緒があるというだけではなく、歴史を重んじて何物も寄せ付けない独特な雰囲気が漂う。
新しいこども校の計画は地域と繋がるデザインでありたい。

外壁は落ち着いたクリーム色の二丁掛タイルを建物全体に使用して暖かい印象とし、船の甲板風バルコニーや屋上の展望台、船室の丸窓などをアクセントとして港町に共鳴した。
奥に広がる変形の敷地であるため中央部に筒状の光庭を設けて各階を回廊廊下とし、館全体に気持ちのよい風が通り抜け、明るい自然光が入る計画とした。
躯体は開きかけた本のようにすこし湾曲させ、人通りの多い坂道を上る人、降りて来る人に語りかけることを意図した。
 
この施設には保育士を養成する「こども専門学校」及び医療に携わる学生のための「医療秘書専門学校」の2校が入る。
1階のキッズルームは地域に開放されたオープンスペースとしてこどもたちが集う場所になる。
採光のためのトップライトを中心軸にメリーゴーランドのような吊天井を造り、手をつないで踊っている象や飛び跳ねているウサギ、魚たちと遊ぶ女の子など、英国の作家の絵手紙をモチーフにした20枚の絵画を飾って、楽しい仕掛けを試みた。

建物概要

  • 建物名称 神戸元町こども専門学校 他
  • 所在地 兵庫県神戸市中央区
  • 設計監理 ウイングスペース一級建築士事務所
  • 施工 安藤・間
  • 用途 専修学校
  • 構造規模 鉄骨造 地上6階
  • 延床面積 2,186.87㎡
  • 竣工 2016年1月