ARCHITECTURE

大地の自然に溶け込む
片流れの茶店

名門ゴルフ場内の小さな茶店の建て替えである。
はじめてゴルフ場を訪れたとき起伏の富んだ美しい緑の風景に圧倒された。
施主からはコースを一望出来る建物にして欲しいというお話があり、辺りの草花が季節によって美しく変化する様子を語られた。

片流れの屋根で窓がコースに向かって大きく見開く形状を考えた。
大地の自然の中に溶け込むガラスのヴォリュームでありたいと思った。
360度のパノラマをどのように活かすか、コアをどのように配置するか、何度もスタディを重ねた。
登り梁を支える2本の丸柱を囲むようにカウンターを設けた。
この有機的な柔らかい曲線の形状は施主のアイデアによるもので、建物内部の中心的な役割を担っている。

（本地 晶子 / ウイングスペース一級建築士事務所）